人生は3つの資本を手に入れることがゴール
橘玲氏の幸福の資本論という本には『幸福の条件として3つの資本』が必要であると書かれています。
・人的資本:スキル、知識、経験
・社会関係資本:信頼、知名度、人脈
金融資産、人的資本、社会資本を投資して、私たち人間は『社会生活の中で幸福』を得ています。
これらの3つを資本から8つのカテゴリーに分類することができます。
金融資産 | 人的資本 | 社会関係資本 | |
貧困 | – | – | – |
マイルドヤンキー | – | – | ○ |
年金生活者 | ○ | – | – |
ソロ充 | – | ○ | – |
リア充 | – | ○ | ○ |
投資家 | ○ | ○ | – |
旦那 | ○ | – | ○ |
超充 | ○ | ○ | ○ |
人生の一つの目標として『3つの資本を手に入れることが一つのゴール』になります。
金融資産
金融資産は『株や不動産などの金融資産を持っている金額のこと』です。
金融資産は労働を投入する必要がなくお金を増やせるので自由を得ることができます。
21世紀の資本論では『r>g』の法則が取り上げられていましたが、
労働収入よりも金融資産から入るお金のほうが早く増えるという考えがあります。
人的資本
人的資本とは、労働力のことです。 さらに言うなら『働くことで稼ぎ出せるであろう金額のこと』です。
人的資本が高い人ほど労働力の価値が高いので年収も高く評価されます。
つまり、お金稼ぐ人は大きな人的資本を効率よく運用していることになります。
社会関係資本
社会関係資本とは『人々の間の絆であるネットワークのこと』を指します。
社会関係資本が多い人ほど困ったときに助けてくれる仲間や近所の方など人に恵まれます。
社会的な動物であるヒトはというのは、共同体の仲間から評価されたときに幸福感を感じるように
猿からひとへ進化の過程でプログラムがインストールされています。
3つの資本を手に入れる際に注意するべきこと
3つの資本を手に入れる際に注意するべきことをご紹介したいと思います。
単一資本への偏りがあると上手く行かない
中には単一資本への偏りがある人もいます。
・仕事だけできる人→人的資本のみ
・顔だけ広い人→社会関係資本のみ
昭和から平成というのは男性であれば、仕事に全投資して人的資本のみを追いかけていれば、
幸福になれましたが、現代はいかにして『配分のチェンジをどこで仕掛けるかも重要になっているわけ』です。
そのため、単一資本への偏りというのは注意が必要になります。
ノルマ達成とスコア稼ぎが混合している
お金も出世もモテるのも必要最低限のノルマ(平均点以上のスコア)達成すればよいゲームなのですが、
ノルマではなく、ベストスコアを叩き出すという『点数稼ぎに混合してしまっている人が多い』です。
やってしまいがちなこと:それぞれのベストスコアを叩き出そうとしてしまうこと
ベストスコアを叩き出すことを目的にすると『単一資本への偏り』の原因に繋がっていきます。
例えば、人生を生きる上で1億円で十分なのに必要最低限の金額が自分でわからないため、
10億円貯めようとしてしまい、その人は本来1億円を手に入れるための努力で済むのに、
『9億円分の努力をしてムダに頑張ってしまう』というケースもあります。
他にも、仕事をバリバリとこなしていき、キャリアを積んでいったのに
自分の思い描いていた温かい家庭を築くというライフスタイルが作れず婚期を逃してしまった。
というケースもあります。
数値化されたものを追いかけるというのは一つの方向性で正しいのですが、
定量的に決めるのは、生活水準や家族構成で変動するので一概に言えませんが、
そうしたことが影響し『単一資本への偏りがあるケース』も増えます。
3つの資本を手に入れる考え方について
具体的に3つの資本を手に入れる考え方についてご紹介したいと思います。
万人が目指すルート
万人が目指すルートは、まずは人的資本を増やすことで、三つの資産がお互いにテコ入れをしながら増やしていきます。
②人的資本→金融資産+社会関係資本
③金融資本→時間
④時間+金融資産+社会関係資本→人的資本
⑤人的資本→金融資産+社会関係資本
時間を使い能力を高めて『人的資本』を高めていきましょう。
次に、高めた人的資本を使い『金融資産』と『社会関係資本』を高めます。
仕事で評価が高まれば自然と年収も上がるので投資できるタネ銭も増えて役職も上がっていきます。
そして、高めた金融資産で『時間』を増やします。
例えば、家事代行サービスや移動をタクシーにするなどです。
そして得た時間を再度『人的資本』を高めましょう。
こうしたことを繰り返すことで、全体の3つの資本のパイがどんどん大きくなっていきます。
マルチステージ化して人的資本を再構築する
これまでのライフスタイルが『学習期 → 労働期 → 引退期』で構成される単一ステージであったのに対して、
マルチステージは 第1ステージ[学習期 → 労働期→引退期] → 第2ステージ[学習期 → 労働期→引退期] →…
という形になります。
40歳前後を一つの人生の目処として区切りをつけて、新しいスキルを学び身につけて、
人的資本を再構築する方法です。再学習期はサバティカルなどと呼ばれたりもしていますね。
このやり方は、万人が目指すルートを簡略化したようなイメージで良いです。
大切なのは年齢とともに人的資本の価値が下がることを底上げするという考え方になります。
社会資本が最も幸福度が高い
金融資産や人的資本をどれだけ高めても『人生の幸福度にはあまり関係がない』です。
『限界効用逓減の法則』は経済学と統合認知科学を融合せた理論で、
限界効用とは、消費財1つ(ビールの例では1杯のビール)の効用、
つまり満足度を表していて、消費財が増えるごとに消費財1つで得られる満足度は減っていくという法則です。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの行動経済学者ダニエル・カーネマン氏によると、
年収が『7万5千ドル(約800万円)を超える』と、報酬の増加による効用(幸福度)自体はほぼ頭打ちになるそうです。
これは、ポケモンでいうと殿堂入りしたような状態になり、
それ以上高みを目指してもゲームの延長線にしかなりません。
そのため、人的資本や金融資産を築き、ある一定のラインからは、
社会資本での家族や友人などの人間関係を築くことが『最も幸福度が高い』でしょう。
まとめ
人生というのは『資源配分のゲーム』だと思っており、
財力、知識力、体力、人脈、家族など『複雑化した変数を組み合わせて最適な方程式を作ること』が重要です。
そのため、偏った資本ではなくそれぞれ自分がどれだけあれば満たされるのか?
何が足りていないかをしっかりと考えながら、時間やお金の使い方を考えていく必要があると思います。
現代社会なら、3つの資本をすべて充足させることも可能なので、
自分の人生をどう攻略するかをしっかりと考えて生きていきましょう。
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