こんにちはmasayaです。
最近、大学に出ても給料が上がらずに貧困な若者が増えています。
厚労省の賃金構造基本統計調査のデータでは、20代後半(25〜29歳)の年収分布で、
年収450万円以上がたったの『1.1%』しかいないのです。
今回は、なぜ大学を出ても給料が上がらずに貧困なのかを解説していきたいと思います。
なぜ大学を出ても若者給料が上がらずに貧困なのか?
最近日本では大学に入り就職しても全く年収が上がらずに高学歴ワーキングプアになっています。
厚労省の賃金構造基本統計調査のデータでは、
20代後半(25〜29歳)の年収分布を見ると年収450万円以上がたったの『1.1%』しかいないんですね。
20代から40代まで貯蓄データですが、『2割ほど』は貯蓄なく『5割以下』が100万円の貯蓄もないようです。
20代だけにフォーカスをあてると、別の統計データでは、男性では10万円未満が『31.9%』と最も多いです。
女性でも10万円未満が『29.0%』で男女問わず過半数が『50万円未満』となっています。
昔のように良い大学に入り良い企業に就職して定年退職して年金ぐらしをするという日本モデルが崩壊しています。
なぜ大学を出ても給料が上がらずに貧困なのか?今回はこの問題を私なりに考察しました。
・そもそも優秀な人が日本で経営者になりたがらないから
・無駄を排除して取り分を増やすというコストカットモデルばかりだから
日本に高度な人材を必要としたビジネスモデルが生み出されていないから
労働市場というのは『需要と供給』で成り立っています。
『労働力を借りたい企業』と『労働力をお金に還元したい労働者』との需要と供給によって年収が決まります。
高度経済成長時代の日本は『高度な人材を必要とする企業』は多くありました。
ですので、大卒などの高度な人材との『需要と供給のバランス』が取れていました。
しかし、現在のような低成長期な日本では高度な人材を必要とする企業は少なくなりました。
逆に、大学の進学率は年々上がっているので『需要と供給がアンバランス』になってしまったのです。
今の日本:企業が高度な人材を必要とせず進学率がどんどん上がり需要と供給のバランスが崩れた
需要と供給によって年収が決まるのが労働市場なので、労働力という供給量だけが高くなれば価値は当然下がります。
逆にアメリカや中国が高度な人材であれば新卒に年収1,000万円払えるのは、
『高度な人材を活用して稼ぐビジネスモデルを持っているから』です。
例えば、中国のファーウェイでは博士号を持つ新卒者に対して約3,100万円の年俸を提示して採用しています。
中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は高度な技術を持った若手人材の採用を強化する。
博士号を持つ新卒者に対し、中国のIT企業幹部などと同等水準の最大約200万元(約3100万円)の年俸を提示し、
採用する。年内に最大30人、20年には同300人程度の採用を目指す。
→https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47777300V20C19A7FFE000/
しかし、今の日本にそうした高度な人材を活用する場が徐々に無くなっているわけです。
例えば、ライン工場のような仕事は、大学で卒業しなくても高卒でもできる仕事です。
つまり、今の日本にはそうした仕事しか残っていないということです。
そもそも優秀な人が日本で経営者になりたがらないから
日本人労働者は世界中で労働者の待遇が上がらずに貧困に落ちているかと言うと、
最近企業は、労基が厳しく監視したり、男女平等、コンプライアンス、パワハラなど、
『企業はこうでなければならない!!』という制約が増えています。
経営者を取り巻く規制や法律によって『優秀な人は経営者をやりたがらない』というのも理由の一つです。
そうした優秀な人たちは経済的な才能があるので『自分の力で稼ぐ方法』はいくらでもあります。
スモールビジネスを展開して稼いだり、個人投資家になったりなどいくらでも稼ぐことができます。
しかし、それで困るのは『残された労働者』です。
優秀な人たちが経営者にならないので、企業の数は絞られて仕事の取り合いが起こっています。
当然、優秀な人が経営者をやりたがらないので『必然的に価値を生み出す仕事』は生まれません。
価値を生み出す仕事が生まれないと高学歴な大学生も需要がなくなるわけです。
・必然的に価値を生み出す仕事が生まれないので高学歴な大学生の需要も減ってしまう。
無駄を排除して取り分を増やすというコストカットモデルばかりだから
現在の日本の企業は『無駄を排除して取り分を増やすというコストカットモデル』ばかりです。
要は、いらない人材は正社員ではなく派遣社員として雇用すれば人件費のコストカットにより、
より多くの取り分を増やすということばかりにシフトしてしまいました。
実際に世界の派遣企業の事業所数は世界トップクラスです。つまり『中抜き大国ニッポン』なんですね。
2020年4月に入ってから『同一賃金同一労働』で今いる正社員すらも派遣社員と同等にみなして、
さらにコストカットにシフトしようとしています。
ですので、今の日本企業は『付加価値を生み出してお金を稼ぐ能力』が全くないのです。
・結果的に付加価値を生み出してお金を稼ぐ能力が無くなってしまった。
・今後同一賃金同一労働で正社員も派遣社員と同じ待遇になる。
今の日本の労働者は『安売り』と『過労』でしか競争に勝つ方法は無い
今の日本の労働者は『安売り』と『過労』でしか競争に勝つ方法を持っていないです。
今まで大企業で無能な窓際族がやっていたAさん仕事が50万円だったとして、
それをBさんが『自分であれば40万円でやれるよ!!』と言うとその窓際族のAさんの仕事を失います。
さらに、Cさんが現れて『30万円でやるしサービス残業して仕事の日数を減らしてやれるよ!』と言うと
Bさんが仕事を失います。これを繰り返して今の日本経済があるわけです。
さらに、今はグローバル市場なので『外国人労働者も出稼ぎで日本で働き』に来ます。
人手不足が深刻化する日本で外国人材の依存度は高まっている。
2020年5月の有効求人倍率は1.20倍と前月より0.12ポイント低下したが、10年前と比べれば1ポイント弱高い。
この間、働き手の重要な供給ルートになってきたのが外国人材だ。
→https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61086960S0A700C2M11000/
当然、日本人感覚で給料が安いと感じたとしても外国人労働者の彼らにとっては大金なのです。
ここでも需要と供給が成り立つので、安い給料でも良いと思う外国人労働者が増えれば需要と供給がマッチするので、
外国人労働者と同じように仕事をしている日本人も『外国人労働者の水準まで下がってしまう』ということです。
・グローバル市場によって外国人労働者も参入してさらに安売りと過労が過酷になる。
生き残りたいなら自分の労働力を高めて、高く買ってくれる市場に労働力を売るしか無い
年功序列制度のように働いている年数によって『自動的に自分の年収が上がる』のはもう時代錯誤なのです。
これから先、労働市場で生き残りたいのであれば、
『自分の労働力を高めて買ってくれる市場に労働力を売る』しか無いと思っています。
日本の労働市場では安いかも知れませんが、海外に出れば自分の労働力を高く買ってくれるところも当然あります。
また、自分自身の市場価値を高めるためにスキルを身につけることも大切です。
本来労働者やるべきことは『会社の中で自分の能力使って稼ぐからこれだけ給料を上げて』という提案をするべきです。
安く売るような市場で自分の労働力を売るのではなく、自分自身の労働力という商品価値を最大限に高めて
一番高く売ってくれるところで売るのがこれからの労働者の目指すべき姿だと私は思います。
『給料は貰うものではなく自分で稼ぐもの』という認識で仕事をしていきましょう。
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