国民の暮らしが豊かになると理系で手に職を付ける人が少なくなる
2015年のデータですが、アメリカで世帯収入が高い家庭ほど、
『ご子息が文系の専攻を選ぶ傾向が高い』というデータがあります。
例えば、一番世帯収入の標準偏差が高い場合、英語(日本では国語に相当)を専攻することが判明しています。
逆に低いほど『理系を選択する傾向』にあるのです。
これは金持ちの子は『稼げる仕事を求める必要性がなくそのために苦労して勉強しなくて良いわけ』です。
国民の暮らしが豊かになると『理系で手に職を付ける人』が減っていきます。
しかし、国としては企業にぶら下がるだけの文系ばかりになると滅亡するので、
『理系が採用できる国から理系留学生を輸入する必要』があるわけです。
そこで恐らく、閉鎖的な貧困国から理系を刈り取るため大義名分として作られたのが、
SDGs:貧困格差
というわけです。
実際に今のアメリカのテック企業はインド系等の移民の起業家が多いですし、
アメリカという国が成り立っているのは『理系が採用できる国から理系留学生を輸入しているから』なのです。
アメリカの会社と仕事や内情を知っている方であれば、役員の職歴を見ると
・文学
・心理学
・人類学
というの人文系ですが、その役員の下で働いているアジア系の労働者はみんな
・化学
・物理学
などの卒業するのが難しい専攻で固まっています。
日本の低迷も理系の絶対数が足りなくなっているから
日本の低迷もこの仮説と同様な考え方に行き着きます。
日本は理系の移民が入ってこない上に私立文系に行き、大企業や公務員となりぶら下がったり、
医学部に行って社会保障費を刈り取る選択肢も魅力的すぎるので、
『働く理系の絶対数が足りなくなった』のではないかと考えます。
簡単に言えば、家が金持ちのやつは私文で遊び、
面倒な理系職は貧乏人にやらせとけば良いという舵を切っていたからです。
日本企業はICTの導入や運用を、SIerと呼ばれるICT企業に外注することが一般的で、
そこから多重請負や派遣で理系職を安く働かせていたことに繋がっていくわけです。
この平成から令和にかけて30年間組織にぶら下がることしか考えてこなかった人間が、
時代はDXだとか時代はSaaSなどと言われてもどうしようもないのです。
最近では働く理系の絶対数が足りなくなった焦りで、九州の高専で『半導体工学科を作る』という話もありますが、
半世紀後どうなるか分からない、サイクルが早い産業に高専出身の人をあてがおうとしてるわけです。
政府は半導体の国内生産能力を高めるため、高等専門学校(高専)での専門人材の育成に取り組む方針を固めた。
2022年度中にも九州にある八つの高専を対象に、半導体の製造や開発に関する教育課程を新たに盛り込む。
世界的な半導体不足のなか、技術の担い手を増やし、
かつて世界をリードした「日の丸半導体」の復権につなげたい考えだ。
→https://news.yahoo.co.jp/articles/dca3b13923590c60ce7c1605bfbe0f3bd2df82b8
アメリカはインドなどの移民で理系を取り入れて上手く成長していますが、
日本では理系は『ほぼ搾取の対象』となってしまっているわけです。
例えば、以下の求人でも博士でも460万円ほどしか貰えないわけです。
日本だと理系で専門知識あっても大して給料上がらないのが現実で、
仮にドクター(博士)だけは確実に実入りが良いですがその代わりとてつもないハードワークです。
日本の会社入ると理系職は良いように使われてしまうので、理系の優秀な方は海外で働き始めています。
実際にノーベル物理学賞を受賞したアメリカ・プリンストン大学の真鍋淑郎さんも
アメリカでは研究でやりたいことが何でもできると言っています。
「アメリカでは研究でやりたいことが何でもできました。
非常に恵まれた中で、コンピューターの購入代金などすべてアメリカの政府がやってくれました。
非常に多くのお金を使いました。私のような科学者が研究でやりたいことを何でもできるんです」
→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211214/k10013386041000.html
と今まで文系で美味しい汁を吸っていた人たちが吸えない状況になり慌てているのが今の日本なのです。
まとめ
学生時代に一生懸命勉強して、社会人になってからも最先端の情報を勉強し続けた専門家が損をし、
何の勉強もしてない人の方が得をする社会が、果たして良い社会なのかというと私は間違っていると思います。
ただ希望もあります。日本が豊かなフェーズは終わり貧しくなり始めているので
『再度理系が有利になってる感じ』はします。
国が貧困な時代:理系で手に職ムーブ
そのため、これから仕事を選ぶのであれば手に職の理系職がおすすめです。
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