こんにちはmasayaです。
厚労省が行った新型コロナの抗体検査で東京都は『0.6%』が陽性だと判明しました。
また、緊急事態宣言の解除の判断基準が『1週間で人口10万人あたり0.5人未満』に変わりました。
今回は、抗体検査や緊急事態宣言の解除の判断基準の話についてです。
抗体検査で東京都は0.6%が陽性だと判明
抗体検査で東京都は0.6%が陽性だと判明しています。以下は本文の引用文です。
厚労省が行った新型コロナウイルスの「抗体検査キット」の性能評価の調査で、
東京で集めた500人分の献血のうち、0.6%が陽性だったことがわかりました。
ただ、厚労省は検査キットごとに結果のばらつきがあり、正確な評価は出来ないとしています。
厚生労働省は、日本赤十字社が先月、
感染の多い東京と感染の少ない東北でそれぞれ500人分ずづ集めた献血の検体を使って、
抗体検査キットの性能評価を行いました。
関係者によりますと、性能評価を行った複数のキットの結果を合わせると、
東京では、500検体のうち最大3検体、0.6%で陽性の結果が出たということです。
一方、東北では、500検体のうち最大2検体、0.4%が陽性を示したということです。
ただ、それぞれのキットが示した結果が一致しなかったことや、
比較のために行われた去年採血した献血からも2検体の陽性反応があったことなどから、
厚労省はキットの性能と「抗体」の陽性結果について正確に評価できないとしています。
厚労省は今後、疫学調査をする場合には別の方法を用いることも検討しているということです。(15日00:56)
→https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200515-00000021-jnn-soci
抗体検査とは、ウイルスなどに感染した後にできる
『抗体』と呼ばれるタンパク質が血液中にあるかどうかを調べるもので、感染したことがあるかどうかが分かります。
上記の日本赤十字社のサンプル数が500+500では少なすぎるので怪しいですが、
東大の抗体検査を行っても『0.6%』だったので、仮定の話になりますがこの数値を基準に考えていきます。
東京大先端科学技術研究センターの児玉龍彦名誉教授(がん・代謝プロジェクトリーダー)らのチームが、
東京都内の新型コロナウイルスの感染状況を調べるために実施した抗体検査で、
0.6%が陽性だったことが15日、明らかになった。
東京都の人口は『およそ1,400万人』です。(4月1日現在)
このデータを基に感染者数はを考えてみると
つまり、抗体検査から導き出される感染者数は『84,000人』になります。
そして、東京都の死亡者数は現在212人(5月14日現在)です。これを基に致死率を考えてみると
なので『約0.25%』です。ちなみにインフルエンザの致死率は『0.1%』です。
インフルエンザとほとんど大差ないことがわかると思います。
インフルエンザの場合は、ワクチンがあっても毎年1,000万人が感染して1万人が死にますからね。
Q10.通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいですか。
例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われています。
国内の2000年以降の死因別死亡者数では、
年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、
この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されています。
→https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html
ちなみに政府は来月から1万人規模の抗体検査を行うことを発表しています。
新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査について、
加藤厚生労働大臣は、来月から1万人規模の大規模な検査を開始すると発表しました。
厚生労働省は、東京・大阪・宮城の3か所で実施する方針です。
→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200515/k10012431021000.html
今回の抗体検査からわかったことは、新型コロナが日本に来て4ヶ月で『0.6%』しか感染していないので、
日本は予想外に感染は広がってなかったのかもしれないです。
今回の抗体検査の陽性率が0.6%なので、日本人は集団免疫から遥かに遠いわけですが、
実効再生産数が1.0以下になったのは『免疫獲得以外の要因が強いのではないか?』と推測することができます。
現状では『BCG説』ぐらいしか考えられていません。
BCGは感染率か重症化率に効果があるのかですが、以下の記事の数字から考えた場合、
感染率に効果があるので、死亡率が低いことになります。
では疫学的なエビデンスはどうだろうか。
これについてはFacebookグループで世界のBCG仮説についての肯定・否定両方の情報を共有しているが、
今のところ圧倒的多数の論文が肯定的だ。
たとえばMiyakawa et al.は多くの擬似相関要因(所得・平均年齢・検査数など)をコントロールした上で、
BCG接種の効果は統計的に有意だという結論を出している。
上の図のようにコロナ感染率(左)でみても死亡率(右)でみても、
BCG接種したか結核の既往歴がある人(赤と白)は、どちらもない人(緑)に比べて低く、
その比率は接種期間に依存しない。BCGの効果は感染率にきくのか致死率にきくのかは未解決の問題だが、
これだと感染率にきく結果、死亡率が低いことになる。
それ以外にも、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招のコメントでは、
自然免疫が強ければ、獲得免疫が働かなくてもウイルスを撃退できる可能性があることを言っています。
今まで集団免疫は、獲得免疫の、しかも抗体というパラメーターだけを見て判断していましたが、
私は、それは間違っているのではないかと思っています。
ウイルスに対するからだの防御というのは、獲得免疫だけが規定しているのではなくて、
われわれの免疫は自然免疫と獲得免疫の2段構えになっています。
自然免疫が強かったら獲得免疫が働かなくたってウイルスを撃退できる可能性があります。
自然免疫だけでウイルスを撃退することもあるから、
抗体の量や陽性率だけを見ていても集団免疫ができているかは判断できない可能性があります。
今回はそういうことが起きているのかもしれません。
→https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200516-00178807/
あくまで仮説ですが、日本人は何かしら新型コロナに強い理由が確かにあるということがわかりますね。
結果的に新型コロナに対して日本人が強いのであれば、結果オーライです。
緊急事態宣言の解除の判断基準が変わる
緊急事態宣言の解除の判断基準が変わり、
『新たに確認される感染者数が1週間で人口10万人あたり0.5人未満』という謎の数値になっています。
以下は本文の引用文です。
政府の基本的対処方針の案では、緊急事態宣言の解除の判断基準として、
各地域の「感染の状況」「医療提供体制」「監視体制」の3つを踏まえて、総合的に判断するとしています。
「感染の状況」については「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり0.5人程度以下」であれば、
解除を判断する目安の1つになるとしています。人口およそ1400万人の東京にあてはめた場合、
新たな感染者数の合計が「1週間で70人程度以下」となることが解除の目安となります。
東京の感染者数は13日までの1週間は173人でしたので、
減少傾向にはありますが目安には達していないということになります。
ただ案の中では「目安」とは別に「直近1週間の感染者数が10万人当たり1人程度以下」の場合は、
感染者数の減少傾向を確認したうえで、感染者の集団=クラスターや院内感染、
それに感染経路が分からない症例の発生状況なども考慮して解除を総合的に判断するとしています。
この場合、東京では「1週間で140人程度以下」となれば、
これらの要素を考慮して解除するかどうか判断できることになります。
→https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012429731000.html
東京都の場合は、人口約1,400万人なので『1週間で70人未満(1日10人)』になることが解除基準になります。
ちなみに5月15日の東京都の新型コロナの感染者数は『9人』のようです。
関係者によると、15日に東京都に報告された新型コロナウイルスの感染者は9人だという。
1日の報告数が一桁になるのは3月22日以来となる。
→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200515-00010019-abema-soci
その他の都道府県の10万人あたり0.5人の数値は以下のグラフに記載しています。
→https://graph-stock.com/graph/covid19-5people-per-one-million/
しかし、日本はゴールデンウィークまで、実効再生産数が解除の目安になっていましたが、
いつの間にか基準が『新たに確認される感染者数が1週間で人口10万人あたり0.5人未満』に置き換えられています。
海外では『実効再生産数』で経済活動の再開を判断しており、
ドイツは実効再生産数が『1.0以下』となり経済活動を再開しています。
ドイツは1.0以下になり解除した後、約3日間ほど1.0を上回っていましたが、5月13日時点で再び1以下になっています。
5月7日:0.71
5月8日:0.83
5月9日:1.10
5月10日:1.13
5月11日:1.07
5月12日:0.94
5月13日:0.81
→https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Situationsberichte/Gesamt.html
しかし、日本は緊急事態宣言の延長時点(5月6日)で実効再生産数が『1.0以下』でした。
以下は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の5月14日資料の実効再生産数のデータです。
青い実線が実効再生産数になりますが、緊急事態宣言の延長前の時点で1.0以下になっていることがわかります。
実効再生産数の5月15日時点での都道府県別の結果は以下のグラフです。
実効再生産数が1.0以下にも関わらず、日本は緊急事態宣言を延長してしまったことによって、
解除のために『実効再生産数の基準が使えなくなったのではないか?』と推測してます。
よって代案として『10万人あたり感染者が0.5人』という基準を出しているのではないかと思っています。
しかし、この基準は医学的にも科学的にも根拠があるのか説明がされていないのでどうなのかと。
日本の4~6月期の成長率が−20%で失業者100万人という恐ろしい試算が出ている
また、経済面ですが、
日本総研から日本の4~6月期の成長率が『−20%』で失業者『100万人』という恐ろしい試算が出ています。
以下は本文の引用文です。
一方で、新型コロナ対策のコストも明らかになっている。
1~3月期の成長率は前期比年率▲5%前後となり、
4~6月期には同▲20%にマイナス幅が拡大すると予想されている。
新たに100 万人の失業が発生し、財政負担もさらに増える。子ども達の学力水準も大きく低下するだろう。
そもそも、新型コロナはこれだけの犠牲を払ってまで回避すべきウイルスか、という議論も必要ではないだろうか。
いたずらに危機感を煽ってパニック状態に陥らせるのではなく、
新型コロナのリスク、景気後退の損失を冷静に分析し、
わが国に相応しいバランスのとれた対策を講じる段階に差し掛かっていると思われる。
日本政府は倒産しそうな企業に助成金を出していますが、近いうちにそうした企業は潰れる可能性が高いです。
新型コロナに目ばかりを向けるのではなく、経済をしっかりと見て共存するという考え方が重要になっていきます。
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