インフレを止めるために金利を上げる理由
『インフレを止めるためには金利を上げる』と言われていますが、
なぜ金利を上げたらインフレが止まるのかをほとんどの人は理解していないです。
金利が上昇すると『預金が増えて消費が弱まり物価が下がる』という仕組みでインフレを止めようとしているわけです。
政策金利が上がると、預金利率も高くなるので国民の多くは『貯蓄』します。
すると、市中に流れていたお金が少なくなり『消費活動が縮小』していきます。
需要が減少することで、物価が下がるので『インフレにブレーキ』がかかります。
これが教科書どおりのインフレと金利の関係になります。逆に金利が下がると逆に動きます。
さらに金利と株価の関係についても考えていきましょう。
金利と株価の関係を簡単に説明すると、
金利が上がる→株価が下がる
という『逆相関関係』にあります。
金利が下がると、お金を借りやすくなります。企業などが銀行でお金を借りて事業を拡大することができます。
そして借りたお金で事業が拡大すると売上や利益が増えるため景気が良くなります。その結果『株価が上がる』のです。
では、逆に金利が上がると企業はお金を借りにくくなります。
すると事業が縮小してしまうため、売上や利益が減り景気が悪くなります。結果として『株価が下がる』のです。
日本もインフレ率2%に達する可能性がある
日本も『インフレ率2%に達する可能性』があります。
日本は金融緩和をこれでもかとやってい達成できなかったインフレ率2%が
『最悪のタイミングで実現』されようとしています。実際に『日本でも物価が上がったと答えた人たちが多い』です。
日本銀行が11日発表した2021年12月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、
前年比で物価が「上がった」と答えた割合は77・4%だった。
消費税率の引き上げ翌年である15年12月調査(78・8%)以来の高水準となる。
消費者が原材料高や円安による輸入品の価格上昇を実感し始めたとみられる。
→https://news.yahoo.co.jp/articles/3a243a4038a9b78d26e63fc1c7305ce7cfb875fa
では。こうした状況下で日本はインフレを抑えるために、
金利を上げるべきなのでしょうか?それとも金利は今のままの方が良いのでしょうか?一緒に考えていきましょう。
日本が利上げした場合
現在のインフレした状況で、日本が利上げした場合どうなるでしょうか?
教科書どおり『今の高い物価がある程度歯止めが効く』ようになります。
しかし、利上げをしてしまうとせっかく、
コロナ禍で立て直しを図ろうとしている余力のない中小企業の金利の支払いが高くなり、
『倒産するリスク』が高まります。さらに、企業が倒産すれば失業者も増えてしまいます。
これは企業だけの話ではありません。
不動産や自動車など変動金利でローン組んだ人はこの先『金利が上がりローンを返済できない』と思います。
そのためそうした不動産や自動車を手放す人たちが増えて、
経済が悪化して日本版のリーマン・ショックのようになります。
日本が利上げしない場合
日本が利上げしない場合は『このまま円安が続き物価が上がり続ける』でしょう。
アメリカでは、インフレ率が上がり生活が困窮している人もいるため『すでに金利を利上げ』しています。
すると、アメリカ経済は市中に流れたお金が貯蓄に回り、
モノよりお金の価値が高まるので『ドルの価値が高まり円安』になります。
日本がインフレによって物価などが上がったとしても、その物価に対して賃上げがされれば良いですが、
少子高齢化社会で社会保険料が重くのしかかり、賃上げ抑制効果が高いため企業も賃上げしづらいのです。
・賃上げは社会保険料で抑制されていて上げづらい
日本で起きているのは悪いインフレで『スタグフレーション』と呼びます。
賃上げされずお金がない人は『物価だけが上がるので生活がさらに困窮してしまう』ということになります。
さらに企業にも大きなダメージがあり、原油など国際商品は輸入で賄っています。
そのため原油などモノの価格の上昇に加えて、円安によって原材料にかかる輸入品が値上がりしています。
黒田総裁はさらに金融緩和を継続すると言っていますが、
日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で
2022年度の物価上昇率見通しを従来の0.9%から1.1%へと引き上げた。
資源価格の上昇などを背景に企業が値上げに踏み切る事例が増えてきたことを反映した。
日銀は持続的な2%の物価上昇目標には時間がかかるとみており、大規模な金融緩和は現状維持を決めた。
→https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB181P70Y2A110C2000000/
さらに円を刷ったとしても円安が加速するだけの話なんですね。
②日米の金利差が開く
③さらに円安になる
④輸入インフレが起こる
⑤金利を上げないといけない
⑥けど日銀は利上げできない
⑦以後無限ループ
インフレの状況で銀行に貯蓄していても『預け貧乏』になってしまう
インフレの状況で銀行に貯蓄していても『預け貧乏』になってしまうことはあなたは理解しているでしょうか?
すでにアメリカは『インフレ率7%』となりました。これは1982年以来の39年ぶりです。
もし仮にアメリカがインフレ率7%が定着したとすると、ドル資産を貯蓄しているだけで『一年後に7%減り』ます。
1,000万円→1年後に930万円→マイナス70万円
1億円→一年後に9,300万円→マイナス700万円
つまり、7%の値上がりや利息があり初めて『資産が同等の価値』になるわけですね。
1,000万円→7%価値が上がるもの→1070万円→マイナス70万円→1年前と同等
1億円→7%価値が上がるもの→1億700万円→マイナス700万円→1年前と同等
仮に日本がインフレ率が3%だった場合、10万円の価値は、
10万円→20年後の価値は54,380円なる
貯蓄しているだけでは『預け貧乏』になるのです。
これは『お金を資産価値のあるものに変えなければならない』のです。
しかし、生活費以外で余力のない人たちは、どんどん物価だけが上がるため、
生活が困窮しますし、さらに頑張って貯蓄しようとしても預け貧乏になりです。
MMT理論などでインフレしてお金をばら撒けと言っている人たちがいますが、
インフレは『お金持ちがよりお金持ちになり、貧困がより貧困になるだけ』なのです。
インフレを私は『貧乏税』とも読んでいます。
まとめ
今回はインフレや金利についてご紹介しました。インフレは貧困層にとっては『非常に厳しい』です。
そして日本の場合はコストプッシュによるスタグフレーションに突入しているので、
正直どうあがいても貧乏になっていくしかないです。
そのためより稼げるスキルや力を身に着けて、できる限り資産に変えるお金を手に入れるように頑張りましょう。
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